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脳梗塞の慢性期でも促通反復療法による麻痺の改善は期待できるのか

この記事を読んでわかること
促通反復療法とはなにか
促通反復療法で麻痺の症状が改善するか
発症から時間が経っても効果が期待できるか


脳梗塞を発症後、麻痺などの後遺症が残った方もいるでしょう。
促通反復療法は脳梗塞発症から1年以上経過していても麻痺の改善が期待できるリハビリ方法です。
治療者の徒手的な刺激に合わせて運動を繰り返し実施することで、随意運動の獲得を目指します。
この記事では促通反復療法とは何か、具体的にどうするのかなどを解説していきます。

脳梗塞による麻痺を克服するためのリハビリとは

脳梗塞発症から6カ月以上が経過し、後遺症が残ってしまい生活に不便を感じている方も多いのでしょうか。
この記事では、発症から時期が経過していても麻痺の改善の見込みがあるとされる「促通反復療法(川平法)」を紹介します。
促通反復療法は鹿児島大学名誉教授の川平和美先生が考案されたリハビリ方法です。

リハビリの進化がもたらす麻痺改善の新しい可能性

リハビリの進化がもたらす麻痺改善の新しい可能性
近年の脳卒中に関する脳科学や再生医療の発展により、中枢神経系には大きな可塑性があり、錐体路以外にも様々な運動路の再建が可能といわれています。
そして麻痺側肢へ積極的にリハビリ治療を施すことで、病巣の改善と機能回復を促進できるとの見解があるのです。
脳梗塞の後遺症の中でも多くを占める片麻痺は、大脳皮質もしくは運動野からの軸索の損傷が原因です。
そのため、麻痺の回復には大脳皮質から脊髄前角細胞への神経回路の再建かつ強化が重要です。
そして、神経回路の強化には

  1. 興奮を伝えてシナプスの伝達効率を上げる
  2. 興奮伝達を繰り返してシナプスの組織的な結合を強化する

といったことが必要です。
促通反復療法は患者が運動努力をするなかで、治療者が促通手技や注意喚起を実施して意図した運動を出現させます。
これを高頻度で繰り返していくことで、大脳皮質から脊髄前角細胞までの神経回路の再建と強化を効率よく図り、随意運動の獲得へつなげているのです。

麻痺部位に特化したリハビリメソッドの紹介

促通反復療法では治療者の徒手的な刺激による伸張反射や皮膚筋反射と、患者の運動しようとするタイミングを合わせて行います。

片麻痺上肢への治療例

具体的には治療者は「はい、伸ばして!」という声掛けをしながら、素早い指の屈曲などの促通刺激を患者に与えます。
そのとき、患者自身は麻痺側上肢を注視したうえで「伸ばそう」と試みます。
運動時に麻痺側上肢を注視することで、視覚的にも運動の実現を感覚入力できます。
治療者による運動の外的誘導と、患者の運動の内発的誘導を同時に実践し、それらを反復することで、興奮の伝達が強化されるのです。
ひとつの運動パターンを数分間で100回程度反復することで、シナプスの伝達効率の向上を上げ、シナプスの組織的な結合を強固にでき、新たな神経回路の再建につながるのです。
実際のリハビリ場面では、肩や肘、手指などにおいて5~8種類のパターンを100回ずつ実施しています。
上記の内容の促通反復療法は20~30分で終了できるので、従来の作業療法と併用が可能です。

片麻痺下肢への治療例

下肢のリハビリにおいては、歩行訓練時(装具や杖、平行棒等使用)に促通反復療法が有効です。
麻痺側下肢の遊脚開始時に麻痺側鼡径部と非麻痺側中殿筋へ刺激を与えたり、麻痺側立脚時に麻痺側中殿筋へ刺激を与えたりします。
そして、非麻痺側立脚期に「非麻痺側下肢にしっかり立って、麻痺側下肢を振り出すように」と指示すると、麻痺側への過度の重心移動が減り歩行の安定性が高まり、歩行速度の向上につなげられます。

リハビリにおける促通反復療法の効果

促通反復療法の効果が特に期待できるのが回復期ではBrunnstromステージIII(共同運動レベル)以上慢性期であればBrunnstromステージIV(分離運動の出現)以上とされています。
さらに、神経筋電気刺激との同時併用やボツリヌス療法による痙縮抑制との併用で、相乗効果が期待でき、より効果的であるといわれています。
促通反復療法の効果としては、片麻痺上肢の麻痺については、急性期と回復期の患者において、通常治療に比べて改善が認められたと報告されています。
さらに慢性期においても、治療開始時に共同運動が分離できている症状の患者であれば、肩関節や肘関節の運動、手指の麻痺で改善が認められ、物品操作能力も高まったとの結果が報告されています。
共同運動が分離できていなかった患者でも、肩関節や肘関節の動きにおいては改善が報告されています。
この報告の対象者の平均罹病期間は59か月となっており、発症から1~2年以上経過した方でも改善が期待できるといえるでしょう。

まとめ

促通反復療法を取り入れることで、脳卒中を発症し6カ月以上経過した方でも麻痺の改善が期待できます。
ニューロテックメディカルでは、脳卒中・脊髄損傷を専門に、狙った脳・脊髄損傷部の治癒力を高める治療『リニューロ®』と神経再生リハビリ®を提供しております。
神経再生リハビリ®は、再生医療に合わせて磁気刺激や電気刺激などで神経回路を興奮しやすくしたうえで、促通反復療法を実施します。
それにより、狙った神経回路の強化かつ再構築が可能になり、促通反復療法をより効果的に実践できるのです。
脳卒中発症から時間が経ってしまい、後遺症の改善を諦めていた方も、ぜひ一度再生医療を検討してみてはいかがでしょうか

よくあるご質問

脳梗塞のリハビリでどのくらい回復しますか?
共同運動が分離できている方であれば、促通反復療法では手指の麻痺の改善が期待でき、物品の操作もしやすくなると報告されています。
共同運動が出現している方でも、肩関節や肘関節の動きは改善が見込まれます。

脳梗塞のリハビリで何をするのでしょうか?
患者に指示した動きをしてもらいつつ、同時に治療者が徒手的な刺激を与えながら正しい方向への運動をサポートします。
それを何度も反復することで神経回路を構築し、随意運動の獲得を目指します。

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<参照元>
・脳卒中リハビリテーションの革新を目指す促通反復療法(川平法)一患者に無駄をさせない神経路の再建・強化を目指して一:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/63/4/63_244/_pdf/-char/ja
・促通反復療法がめざす「患者に優しい」治療への展開―より効果的(効果/治療時間)な基盤的治療へ―:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/58/3/58_58.289/_pdf/-char/ja
・最新の脳卒中リハビリテーション ―運動障害へのアプローチを中心に―:https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/108/2/108_283/_pdf/-char/ja
・片麻痺回復のための革新的リハビリテーションを目指して -効率的な神経路再建/強化の理論と実際-:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/47/5/47_5_315/_pdf/-char/ja

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