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再生細胞薬「SB623」について

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2019.8.10

 絶対に不可能と云われてきた脳の再生に取り組むサンバイオ社が、18年間に渡って開発してきた再生細胞薬「SB623」。健常者の細胞を培養して患者さんに投与する「他家移植」だから、間葉系幹細胞を大量培養して患者さんの脳に注射し、神経回路の再生を促すことが出来るのです。そんな夢の再生細胞薬「SB623」についてのご紹介です。

サンバイオ社

 2001年にアメリカのカリフォルニアで設立された再生医療の会社です。今までの医療では根治治療出来なかった中枢神経系領域の疾患を対象に、再生細胞医薬品の研究や開発、製造・販売を行っています。2013年に日本法人サンバイオ㈱が設立され、2014年には企業再編を経て、現在では日本法人が親会社になっています。

SB623

臨床試験

 SB623については、会社設立時から研究を重ね、アメリカでは2010年にFDA(※)から臨床試験を承認・認可されました。

※FDA(アメリカ食品医薬品局):アメリカ合衆国保険福祉省配下の政府機関です。食品や医薬品に限らず、化粧品や医療機器、たばこから玩具まで、消費者が通常の生活で接する機会のある製品について、その許可や違反品の取り締まりなどを専門的に行います。

 2011年に慢性期脳梗塞のPhase1/2a臨床試験を開始、2014年にはアメリカとカナダで慢性期脳梗塞の共同開発、ライセンス契約を大日本住友製薬株式会社と締結しています。
 尚、2016年には外傷性脳損傷についてPMDA(医薬品医療機器総合機構)から日米グローバル臨床試験(Phase2)の治験が受理され、アメリカでは2016年7月から、日本でも10月から治験を開始されています。現在、慢性期脳梗塞についてはアメリカでサンバイオ社と住友製薬社が共同でPhase2の臨床試験、外傷性脳損傷については日米共同でPhase2の臨床試験を行っています。

SB623はどんな薬?

 従来、脳内には幹細胞が存在しないとされてきましたが、1998年慶応義塾大学の岡野教授が脳内の幹細胞存在を発見したことで、幹細胞による脳治療の可能性が出てきたのです。
 健常者の骨髄液から採取した間葉系幹細胞を大量培養して、患者さんの脳に移植するので、自己移植と比べてコストを低く抑え、量産化が可能になります。また、量産された細胞の冷凍保存も可能なのです。
 移植された幹細胞が様々なサイトカインを分泌します。そのサイトカインによるオートクライン効果や他の細胞に働きかけるパラクライン効果により幹細胞が活性化することで、脳損傷部が修復することになります。投与された幹細胞が神経や血管といった細胞に分化することも確認されていますが、自家移植(自己の細胞)とは違い他家移植(他人の細胞)なので、それらの効果は劣ると考えられます。

※オートクライン効果: 細胞からの分泌物が、分泌した細胞自身に作用すること。
※パラクライン効果:細胞の分泌物が、直接拡散したり、大循環を介して遠方に送られ、分泌した細胞以外の細胞に作用すること。

手術方法

 頭骸骨に直径1㎝程の穴を開けて、障害部分に細胞を移植する「定位脳手術」で行い、患者さんの身体に負担が少ないとされています。手術は1回のみで効果が持続され、投与24ヶ月後でも改善が認められています。副作用については、ほとんど認められておりませんが、一過性の頭痛が見られる場合もあるとの報告はされています。

拒絶反応

 他家移植と云うことで、拒絶反応が懸念されますが、SB623においては自ら免疫応答を抑制する働きを持っているので、その心配はないとされています。
 SB623に期待されるのは、患者さんの運動機能などの改善です。たとえ全てが完治できなくても、車椅子が必要だった患者さんが杖で歩けるようになれば、患者さんや介護するご家族の負担軽減につながり、QOL(生活の質)が上がりますよね。

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