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驚異のメッセージカプセル「エクソソーム」

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2019.9.10

エクソソーム(Exosome:エキソソームとも呼びます)自体の発見は今から30年ほど前ですが、当初は細胞の不要物として認知されず、その機能や存在意義などは長い間、不明でした。ところが、2008年にエクソソームに含まれるメッセージ物質を使って、臓器同士がやり取りを行っていることで注目され、その働きを解明し、再生医療に応用する研究が世界中で行われています。

エクソソームとは

エクソソームは細胞が放出するカプセル状の物質で、直径50~150㎚(ナノメートル:10億分の1m)の突起がついた顆粒状の形をしています。その表面は細胞膜由来の脂質、タンパク質を含み、内部には核酸(マイクロRNA、メッセンジャーRNA、DNAなど)やタンパク質などを含んでいます。このエクソソームは体のあらゆる細胞が出しているので、血液中に含まれる数は100兆個以上流れている計算になります。特徴としては、そのカプセルの中にいろんな“メッセージ物質”が詰まっていることで、その一つがマイクロRNAと呼ばれる遺伝物質です。マイクロRNAはDNAの仲間で、遺伝子の働きを制御することで知られていました。元々細胞の中にだけ存在すると考えられていましたが、エクソソームの中にも含まれることが解って、世界中で研究が行われています。

病気との関連性

体内の細胞は常にエクソソームを分泌していますが、病気になるとその分泌量が増えるとされています。例えばガンにおいて、これまでサイトカインなどのいろんな“メッセージ物質”を出していると研究されてきましたが、エクソソームも出していることが確認されました。悪性度の高いガン細胞から分泌された核酸(マイクロRNA、メッセンジャーRNA)がエクソソームを介して、受け取り側の悪性度の低いガン細胞に伝達されて、その性質を悪くさせると証明されています。マウスに肺転移性のガン細胞由来のエクソソームを事前に静脈投与して、その後骨転移性のガン細胞を静脈投与すると、細胞自体には肺転移能がないのに、肺への転移が増加したと云う結果が出ています。

バイオマーカーとしての役割

血液や尿などの体液や組織に含まれるタンパク質や遺伝子などの生体内の物質で、病気の変化や治療に対する反応に相関して、指標となるものをバイオマーカーと云います。2019年1月、神戸大学大学院の研究グループではガンの新しいバイオマーカーとして注目されるエクソソームの超高感度検出法の開発を行いました。エクソソームの高感度測定を自動化した「エクソソーム自動分析計」の開発により、迅速・簡単な体液検査を実施することが可能となり、今後のガン早期発見などに大きく貢献出来ると期待されています。

このように、エクソソームは分泌元の細胞情報を反映し、細胞間情報伝達ツールとして診断から治療まで、いろんな分野への応用が可能になっています。

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