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脳神経機能再生への3つのステップ

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2019.6.20

近年、めざましく進歩している、がんの治療については、「建物を壊す」ことをイメージすれば、分かり易いでしょう。ショベルカーを使ったり、炎で燃やしてしまえば、比較的イメージし易いですよね。つまり、がん細胞を壊すには放射線や薬剤、または外科治療で取り除くなど、いろんな方法が選択できます。でも、脳梗塞後の神経細胞の再生では、「建物を再建する」と云ったイメージになります。建物を建てるためには、土台や骨組み、外壁、屋根など、多くの段階を踏むことになります。それと同じように神経細胞の再生にも、いくつかのステップを踏むことになるのです。

脳再生の3つのステップ

炎症期

急性炎症が起こると、炎症の四微(熱感、発赤、疼痛、腫脹)が現れます。微小循環系血管(細動脈→毛細血管→細静脈)に次の①②③の変化が起こります。

① 血管径と血流の変化(細動脈側)

炎症初期には、侵害が加わった局所で、細動脈が強く血管収縮し、血行が低下します。5分程度後に細動脈の収縮が解除され血行(血流)が回復し、侵害数十分後には細動脈が拡張します。そして血流の速度や量が増加し、微小循環系血管(毛細血管や細静脈も含む)に多量の血液が流れ、炎症部位(皮膚など)に熱感、発赤、拍動性の疼痛が現れます。血流の増加により白血球が粘着して血栓が作られ、血行が阻害されるのです。また、血管透過性亢進
(通常なら血管壁を透過しない大きな分子まで通してしまうこと)が起こって、血液粘稠度が増すことで、血小板凝集や血液凝固を促進し、血栓形成を進め、心筋梗塞や脳梗塞の発症が高くなります。

② 白血球の粘着性亢進と血管外遊走(細静脈側、特に毛細血管と細静脈との吻合部付近)

急性炎症があると、血管内皮細胞表面にセレクチンが現れ、血液中の白血球が細静脈の血管内皮細胞に粘着し、15~30分後に増強します。数時間後ピークに達し、20時間後には白血球の粘着性亢進は止まります。

③ 血管透過性亢進

急性炎症時には、微小循環系血管は血管透過性の亢進で、血液中の血清タンパクが多量に漏出し、腫脹(浮腫)が生じます。

損傷部位では炎症物質(ヒスタミン、セロトニン)と云われるものが放出され、白血球などの炎症細胞が集まります。これらの細胞は、損傷した細胞や組織、細菌など、組織の再生に障害となるものを取り除きます。

増殖期

幹細胞と云う細胞が損傷した神経や血管やつくるための組織を活発に再生します。

成熟期

再生された組織がもっと丈夫なものへと成熟されて、治癒に向かいます。

これと同じステップ(炎症期、増殖期、成熟期)が脳梗塞後の脳にも起こっているのです。
でも、脳梗塞の場合は炎症期には強い反応が起こりますが、増殖期と成熟期はあまり活発には行われないのです。血管再生に重要である増殖期の立ち上がりが弱いので、成熟期も活発に行われないのです。その増殖期の立ち上げを高める方法が幹細胞移植です。
今、世界各国では、脳卒中後の神経再生を促進するために、上述の増殖期の造血幹細胞移植、間葉系幹細胞移植など、幹細胞を用いた臨床試験がいろいろと行われています。また、全ての時期で最適な治療を合わせて行えば、脳梗塞後の機能再生を最大限に生かせると考えられ、研究開発が進められています。

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